アート・ファッション

MANBO KEY HOME PLEASURE

著 マンボウ・キー

台湾を拠点に国際的に活躍し、現代アートとファッション・フォトグラフィーの世界を縦横無尽に行き来するアーティスト、マンボウ・キー|登曼波(Manbo Key)による、日本初となる作品集


代表作である『Father’s Videotapes』(台北美術賞グランプリ受賞)をはじめ、そのシリーズの延長である『Father’s Video Tape_Avoid A Void』(台新芸術賞受賞)より、未発表作品や日本未公開作品のほか、客家系民族であり日本統治時代に台湾で生まれ育った祖母をモチーフにした作品、そして、アーティストとしての彼に大きな影響を与えた亡き父への手紙も収録します。
巻末には、東京都現代美術館キュレーター 藪前知子、台湾文学研究者 赤松美和子、国際美術批評家連盟台湾支部理事長 チェン・シーによる評論を掲載し、作品を様々な視点で紐解きます。マンボウ・キー作品と初めて出会う鑑賞者にとって、バイブルとなる1冊です。
(日・英・中 3カ国語表記)

 

■装丁
アートディレクション・デザイン、マンボウ・キー。デザイン、ヤオドゥー・ジェン、ダニエル・クオ。『Father’s Videotapes』が印刷された蛇腹のページから始まり、手紙とフォトグラフィーが単一的かつ意図的に配され、隠されたページをのぞき込むときの感情の動きを鑑賞体験とする、作品集でありながら作品でもある仕様です。

 

■マンボウ・キー|登曼波(Manbo Key)の作家性
1994年のある運命的な日、マンボウ・キーが父親の禁断のコレクションである自撮りのセックス・テープを発見したことから、すべての物語が始まります。
不安と戸惑い、そして好奇心に占領された10代を経験し、自身のアイデンティティと家族関係の深層に迫る探求を開始するマンボウ・キーは、写真・映像・インスタレーションを通じて、家族、ジェンダー、セクシュアリティ、クィア・アイデンティティといった、個人的かつ社会的なテーマを一貫して探求します。

 

【先行販売】
MANBO KEY SOLO EXHIBITION「HOME PLEASURE|居家娛樂」
日程:2025/05/30 (金) - 2025/06/09 (月)
会場:PARCO MUSEUM TOKYO
https://art.parco.jp/museumtokyo/detail/?id=1721

  • 判 型:
    200×140mm
  • ページ:
    230ページ
  • 定 価:
    6,000円(税別)
  • 発 行:
    2025/5/30
  • ISBN:
    978-4-86506-478-0

PROFILE

マンボウ・キー|登曼波(Manbo Key)
写真、映像、音楽、ならびに多様な創造的表現を用いて、「家族の記憶」および「アイデンティティ」を主題に据えた作品展開するアーティストである。思春期、父が秘蔵していたビデオテープを偶然発見した体験を契機として、自身のアイデンティティおよび家族関係の深層に迫る探求を開始。これをもとに制作された三部作――『Father’s Videotape(父のビデオテープ)』『Avoid A Void』『Diverse : Identity』――においては、個人的な記憶と身体、ジェンダー、家族の物語とが織り交ぜられ、独自の視点から表象されている。

2019年に『Father’s Videotape』において台北美術賞のグランプリを受賞し、その表現力が高く評価された。また、作品『Plastic Ceremony(塑の儀式/Ā bǐ bǎi)』においては、客家(ハッカ)としての民族的ルーツと、性の意識との交錯を新たな儀式的形式に昇華させている。

2022年に開催された個展『HOME PLEASURE』では、家族関係、トランスジェンダーのイシュー、ならびに社会的周縁性といった主題にまで関心を広げ、台湾におけるクィア・カルチャーとの関わりをいっそう深化させた。同年、アートとパーティカルチャーの交差を探究すべく、HomoPleasure Collectiveを共同設立するに至る。2024年にはデンマーク、東京、バルセロナで作品を発表し、アジア人としての身体性およびアイデンティティに関する国際的な対話の場を拡張している。