中島デコ

私にとって、未来に繋いで行きたい大切なものは、日本の文化です。
日本は小さな島国ですが、歴史があり、伝統や文化があり、人々には、礼節があり、元気で、手先も器用で、生きる力がみなぎっていました。(と、思っています)その文化を掘り起こし、健全な身体と精神を取り戻し、繋いでいきたいです。
私自身は、職人でもないですし、大したことはできないかもしれないけれど、ご先祖を敬う気持ち、そこここに宿る神様を祀る気持ち。着物を纏い踊りやお祭りを楽しむなどそんな、些細なことなら伝えられる。
そして、何より大事な日本古来から伝わる食の文化。昔ながらの方法で米を作り、麦を作り、収穫して自給し、麹を醸し、醤油や味噌などの調味料を作って作物を生かしきる。
古来から伝わる方法で梅干しや梅酢、柿酢を作り土地にできる果物や野草を生かし、いただく。本当の美味しさをシェアし、ローカルに楽しく生きる。
こんなことなら、若い人たちに伝えることができる。それは、彼女彼らの身体や精神や生きる力を作り、その先に、その次の世代も健全に育みさらに、日本の大事な土や水、文化までもつむぎ、守っていってもらえるのではないかと思っています。
(PARCO出版50周年イベント「One Page BOOKSTORE -1ページの本屋-」に寄せて)
中島デコ
マクロビオティック料理家。1958 年東京生まれ。2度の結婚で、2男3女の5人の母となり、現在孫9人。16歳でマクロビオティックに出会い、23歳で結婚を機に実践。自宅で料理教室を始める。5人の子供を育てあげた経験に基づく料理指導が、多くの母親たちの支持と共感を得る。1999年 千葉県いすみ市に、田畑つき古民家スペース「ブラウンズフィールド」を設け、世界各国から集まる若者達とともに、田畑を耕し調味料を作り、持続可能な自給的生活をめざす。ブラウンズフィールド内に、週末カフェ「ライステラス」、イベント宿泊スペース「サグラダコミンカ」、ナチュラルオーベルジュ「慈慈の邸」をオープン。多彩なイベントを含め、全国から訪れる人々に癒しと学びの場を提供したくさんの人に愛される場となっている。国内外で、講演会やマクロビオティック料理講師として活躍中。『中島デコのマクロビオティック パンとおやつ』(PARCO出版)『中島デコのマクロビオティック ライステラスカフェ』(PARCO出版)『中島デコのマクロビオティック 玄米・根菜・豆料理』(PARCO出版) 『ブラウンズフィールドの丸いテーブル』(BF 出版)近著では『中島デコのサステナブルライフ』(PARCO出版)料理本やエッセイなど著書多数。